前回の記事では、仮設電気工事のケーブル通線作業を書きました。
今回はその続き。引込柱の建柱から、開閉器盤の取付・結線完了までの話です。
前回は「CVT60SQを100m通線」の話でした。FEP管にケーブルを通して、金車とウィンチで引っ張る作業。3人で528kgの摩擦に挑んだ回です。
今回は構成図でいうと、左側の「引込柱」と「開閉器盤」のエリア。建柱して、支線を張って、開閉器盤を据えて、1次側の結線まで一気にやりました。
建柱作業
まずはコンクリート柱の建柱から。
今回使ったのはコンクリート柱「10-19-3.5」。この数字の意味はこうです。
10:全長10m
19:末口(先端の直径)19cm
3.5:ひび割れ試験荷重 3.5kN(約357kgf)
全長10mといっても、根入れ(地中に埋める部分)が全長の1/6なので約1.67m。地上に出るのは約8.3mです。
クレーンで吊って、掘った穴に差し込む。根枷せを取付します。
支線の取付
建柱が終わったら、次は支線の取付。
支線とは、電柱が倒れないように斜めに張るワイヤーのことです。電線の張力や風圧で柱が傾くのを防ぎます。
高所作業車に乗って、柱の上部に支線バンドを取り付けて、ワイヤーを張っていきます。
玉碍子(たまがいし)
支線には玉碍子を取り付けます。
これは磁器製の絶縁体。支線にこれを挟む理由は、万が一電線が切れて支線に接触したとき、地面まで電気が流れないようにするためです。つまり感電防止。
取付位置にも規定があります。電気設備技術基準の解釈(第65条)で、地表上4.5m以下の支線には玉碍子を入れることとされています。取付高さは地上2.5m以上。人が触れない高さに設置するのが基本です。
ターンバックルと支線ガード
支線の張力調整にはターンバックルを使います。
ネジ構造になっていて、回すことでワイヤーの張りを締めたり緩めたりできる金具です。建柱直後は柱の沈みや地盤の変化があるので、後から微調整できるのが重要。
そして支線の低い位置には「支線ガード」を取り付けます。黄色と黒のトラ模様のカバー。歩行者が支線に当たって怪我をしないための保護です。
建柱完了
支線・碍子・ターンバックル・支線ガード。すべて取り付けて、1本目の建柱完了。
柱の上部には腕金を取り付け済み。ここに引込線を受けます。柱の根元には引込開閉器盤を取り付ける準備も完了。
引込開閉器盤と計器板の取付
建柱が終わったら、引込開閉器盤と計器板を取り付けます。
仮囲いの単管にがっちり固定。オレンジ色の箱が引込開閉器盤。電力会社からの引込線をここで受けて、主幹ブレーカーを通して分電盤へ送ります。
計器板は電力量計(メーター)の取付板。電力会社が計器を設置するための下地です。
1次側の電線も立ち上げ済み。柱の上から開閉器盤まで、CVTケーブルを配線しています。
もう1本建柱
こちらの現場は電灯2回線・動力2回線を引き込みます。通常、1つの需要場所には電灯1回線・動力1回線の「1引込」が原則。しかし今回は電灯・動力それぞれ2回線ずつの「同一敷地内2引込」です。1本目の引込柱に電灯・動力各1回線、2本目にも各1回線。電気供給約款では1需要場所1引込が基本ですが、需要が大きい場合は電力会社との協議で認められるケースがあります。
同じ手順で2本目も建柱。支線・碍子・ターンバックル・支線ガード、すべて同じ仕様で施工します。
引込開閉器盤の取付(2本目)
2本目の柱にも引込開閉器盤と計器板を取付。それぞれの引込柱に電灯・動力各1回線ずつ、計4回線分の開閉器盤を設置しています。
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結線作業
ここからが結線作業。開閉器盤の中で、1次側のケーブルとブレーカーを接続します。
この日は雨。テントを張って、その下で作業しました。水が入ると短絡の原因になるので、雨天の結線は養生が大事。
電動圧着工具でCVT100SQの端末を圧着して、ブレーカーに接続。
結線作業の動画(X)
結線完了
開閉器盤の中身。主幹ブレーカー2台にCVTケーブルが接続されています。
端末処理・アース線の接続も完了。あとは電力会社の検査を受けて、計器を付けてもらえば通電です。
まとめ
仮設電気工事の建柱から結線完了まで、1日で一気に施工しました。
コンクリート柱2本の建柱、支線・碍子・ターンバックルの取付、引込開閉器盤の据付、1次側の結線。工程としてはかなり盛りだくさんです。
次は電力会社の引込工事。計器が付いて通電すれば、いよいよ仮設電気が使えるようになります。